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男性ライターが一人称を決めると、「かっこよく男前で聡明でシリアスなキャラ」の一人称が「オレ」になってしまう。*6女である私の目からすると、「オレ」は「少し軽くてコミカルなキャラ/頭の悪いキャラ」の象徴となる。あえて、「オレ」でかっこいいキャラを作ろう!とする場合を除けば、シリアスな男の一人称には「俺」や「私」を使う。が、男性ライターたちには、このイメージが伝わらない。「俺」も「オレ」も、「おれ」も全て一緒。「僕」は固いカンジ、「ぼく」はナイーブなカンジ、「ボク」は少し甘えた幼いカンジ、と言っても、伝わらない。「りりしく頭のいい女性キャラ」に平気で「あたし」という一人称を喋らせる。「わたし」にしたほうがキャラが出ると思うよ、と意見してみても、やはり理解してくれない。
無数の女や男が登場する、ギャルゲー、乙女ゲーの現場の人ならば、認識は違ってくるのかもしれないが、一般向けゲームを制作する男性ライターの多くは、一人称に、更には語尾に無頓着だ。
一人称や語尾について悩まなくても、セルフイメージを保持できた男性と、「女性」になってしまう自分を引き受けられずいる間に、人称や語尾の壁にあたった女性との差だと私は考えている。
「わたし」「あたし」か、それ以外にはみだすか、という、もともとの選択肢の少なさが、女性を一人称の使いわけに敏感にし、ひいては「ボク女」など、侮蔑の対象ともなる「自分」を生み出してしまったのだ。一見、奇異な存在である少女たちの奥底には、「そうでもしないと、やってられない切実な苦しさ」が隠されている。
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